なにものか

大きな環状の連なった金属が天高くからぶら下がっている。
そのチェーンの空間を、右側から左側に矢のようなものが突き抜けた。
左側にはゼリーで出来た軟体生物の様な生命体が存在し、
揃った数の矢が全てそこに射抜かれた瞬間、
その矢が全て吸収された。
吸収を終えた生命体がぐねぐねと形を変えながら、
鼓動を打ちながら、
まるで人体のような一つのカタチを創る。
しかしそれには耳しかなく、
残りのすべての必要な器官は粘液となって、
カタチを為す表面で機能するシステムになっているようだ。
そして粘液から少しずつ少しずつ液体が外に漏れ出す。

そのものが存在してるところは深淵なる暗闇の何もないところ。

漏れ出した液体が乾燥し、風に吹かれ舞いながら、
まるでウィルスのように360度全方向に飛び散り人体に付着する。
どれだけ離れていても、直接ウイルスが付着しなければ感染は起こらない。
人体のどこか一点に付着すると、そこからゆっくりと感染が広がっていく。
じわじわ、じわじわと…
最初に変化を起こすのは脳ではなく、
どうやら脚部からの様だ。
だから人類の産み出した世界が変化するのは、
もしかしたら遠い未来になるのかも知れない。
実際に、それがどの様に伝達するかは、私たちには分からない。
ただ新たなる生命体の計らいに身を委ね、
時を待つしかないのかも知れない。

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